雪が溶けた世界

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シン・ゴジラ 感想(ネタバレ)あり

自分語りから始めます。私は、自称するのもなんですが天邪鬼です。流行や話題作の類は敬遠する人間です。映画でも、ディズニー作品などはそれに当てはまるのであまり観ません。今回のゴジラもそうでした。昨年上映した「GODZILLA」は観ましたが、良くも悪くもいわゆるアメリカ映画だったので、今回の邦画・ゴジラはとても躊躇いました。ですが、観に行きました。面白かったですwぜひ観てほしいと思います

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以下ネタバレあり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まずストーリーですが、大筋は過去作品と大差ありません。ゴジラがやってきて、それを止める為に行動する過程を物語にしたものです。今作での舞台は東京。初めに、東京湾ゴジラが現れ、街を壊しながら歩いて進んでいきます。その時に色々な区の場所を字幕で表示するのですが、日本映画だなー、と感じたのを覚えています。多分都民ならすごい楽しめるんでしょうね。

ゴジラの出現に対応する政府ですが、その対応がとても遅い。それも無能ゆえのものではなく、形式的な会議や上の決定を待つような法律的なものなのです。これは現在の日本そのものを表しています。縦割り行政、責任の押し付け合い、その他諸々の要素でなった日本です。

途中、ゴジラは進化しようとしますが、まだそれに耐えられず一度海へ帰っていきます。東京の街並みは、かつての戦争や阪神淡路大震災東日本大震災のように瓦礫で埋もれ、ぐちゃぐちゃになった状態です。

政府側も黙っていたわけではありません。特別チームを作りゴジラの研究に当たります。その結果、ゴジラは「人智を超越した生命体」とされ、ゴジラを倒す為の研究が進められました。また、行方不明となった教授の遺言やデータが見つかり、それの解読も進められました。

再びゴジラがやってきました。進化を遂げ、前回より脅威になったゴジラ自衛隊が攻撃を仕掛けます。兵器が登場するたびに字幕が出たので、ミリオタの方はかなり楽しめそう。そんなで滅茶苦茶に攻撃しますがゴジラには効果はありません。最後の米軍の寛通弾?も、ゴジラの口と背中から出る謎の光線によって破壊されてしまいます。そんな中で首相を含めた重要人物が死んでしまい、政府は新体制での対応を余儀なくされます。

その後、進軍するわけでもなくゴジラは立って動かなくなります。そして研究によると、残り15日で動き始めると知り、研究チームは対策を急ぎます。しかし、自国への脅威を感じた米国が国連の名の元でゴジラの駆逐を呼びかけます。そして、ゴジラを確実に倒す方法として核兵器の使用を提案します。三度目の日本への核の投下ーーーこれを防ぐため、研究チームは核兵器投下より前に、ゴジラの冷凍作戦を実行します。何人もの犠牲者の元で作戦は成功し、ED(完)を迎えます。終盤からトイレに行きたかったのですが、エンドロールであの曲が流れたので我慢しましたw

 

この映画にはいくつものテーマがありました。核や国防、行政や災害。これらをまとめて「未来」だと私は考えます。アメリカが日本に核を撃つ。これはヒロシマナガサキの悲劇を繰り返すことになります。本作ではそれを阻止し、「やり直し」を行いました。

 

さらに、ゴジラは人間が生んだものであり、人間の汚い部分の体現です。ゴジラの口から出る光線は放射能であり、言わば汚物です。それを、核兵器で潰すのではなく冷凍させ‘‘停止‘‘させたのです。また、ゴジラを冷凍させた後始まるのは復興です。単に街の復興というわけではく、政府の言うなれば国の復興です。

今作は、日本の問題や過去をゴジラという生物で上手く表現した良い作品だと思います。タイトルの「シン・ゴジラ」のシンですが、でありであるすごくよくできたタイトルだと思います。過去からの決別も、国の復興も、全てはでありなのです。

 

 

ところで、ネットを見ると行方不明の科学者がゴジラのしっぽに付いていたそうですが... 科学者はそんなに重要でないと思っていたのですが、もう一度見た後にその事について書き足すかも?

円谷英二ゴジラも併せて観るとなお良し。